仕事が終わって、ロッカーから私用携帯を出したら実家からの留守電があった。
折り返したら、猫がついさっき死んだって。
18歳。長生きだったって。幸せだったよね、って母親が弱弱しく涙声で言ってた。
どう答えたかよく覚えてない。

どう運転したんだかわからないが、ちゃんとアパートまでさっき帰りついて、
でも、涙が止まらなくて、車から降りられなかった。

いま、やっと落ち着いて、一人きりのアパートの部屋の中、猫の写真データを探してる。もっと撮っておけばよかった。なんであの毎日をあたりまえだと思って無為に
鈍感に過ごしてたんだろう。
もう一度会って眉間を撫でてやりたい。すごく気持ちよさそうに首をグルってしながら甘え声を出しておなかを上に向けて寝転がって、それをまたわしゃわしゃ撫でてやりたい。
撫でてやりたかった。

こんなとこに書いてもどうにもならないんだが、誰かに話したかった。
俺の人生の2/3を一緒に生きた奴が居なくなって、
そいつは実にいい奴だったって知ってほしい。
でも、うちの猫のことを知ってるのは、うちの家族だけなんだよな。
ここであんたらに言っても、どうしようもないのにな。

かなしい。やるせない。ああ。